〈旅行好きのS氏から聞いた話のつづき〉 翌朝、S氏は民宿の主人に連れられその牧場を訪ねた。夏だというのに北海道の早朝はひんやりと肌寒い。 「あの小屋ですよ。あそこにコーヒー牛乳の牛がいるんです。」 いわれるままにS氏は小屋に入った。小屋の中には十数頭の牛が横一列に並んでいた。 「これ全部コーヒー牛乳の牛ですか?」 「いや、右端のあの、ちょうど今おばさんが世話している牛、あれがコーヒー牛乳の牛です。」 S氏はそばに行っておばさんに尋ねた。 「この牛からコーヒー牛乳がとれるんですか?」 「ああ、この牛かい。何だか知らんが小さいときからコーヒー豆が好きでねぇ、仕方がないんで町の喫茶店からコーヒーの出し殻をもらってきて食べさせてるんだよ。でもねぇ、かわいそうに、こんなに目を真っ赤にして…この牛はね、不眠症でそれはもう大変なんだよ…。」 それを聞いて、S氏は「そうだったのか。」と納得した。(了) この話はフィクションです…たぶん。 17.6.10号から |
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