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zoom RSS 「『納豆菌』に対する危機管理」の真相

<<   作成日時 : 2007/06/13 23:25   >>

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私は福島県納豆協会の会長である。
昭和68年春から協会は県独自の納豆菌開発を手がけてきた。
これまで納豆菌といえば、「成瀬菌」「高橋菌」「宮城野菌」という、
いわゆる国内三大納豆菌種のシェアが圧倒的に高かった。
そこに福島県が納豆王国として新たな菌を携(たずさ)えて切り込もうという計画だ。
その新種の菌がようやく完成したのは、昭和70年の秋である。

しかし、私はプロジェクトの裏に恐ろしい計画があることを知ってしまった。
地球征服をたくらむ悪の組織が存在し、協会の研究チームはそこから脅迫され、
あろうことか「人体に入ると新型ウィルスに変化する新種の納豆菌」を作らされていたのだ。
新種の菌はもうじき世に出回る。
いや、もう既に出ているのかもしれない。
なんとかしなければ…。

私は、その日「『納豆菌』に対する危機管理」という文章を書いた。
内容は納豆菌が新型ウィルスを作り出す危険性を述べたものである。
これを公表し市民の恐怖心をあおり、一時的に納豆ばなれを引き起こすのがねらいだ。
私は、協会主催の作文コンクールの結果を独断で急遽(きゅうきょ)変更した。
最優秀作品は、Hという男が書いた「明日の福島・未来の納豆」に決定していたが、
私の「『納豆菌』に対する危機管理」を最優秀賞にし、Hの作品を優秀賞に格下げした。
本当は、Hの文章については抹殺(まっさつ)してしまいたかった。
何と、Hが悪の組織の一味であることがわかったのだ。
しかし、Hの文章は群を抜いて素晴らしく落選させるわけにはいかなかった…。 

作品が公表されるやいなや、私の「『納豆菌』に対する危機管理」は、議会をも巻き込んで大きな社会問題となった。
それにともない、県内における納豆の消費量は急激に落ちていった。
まさに、私のねらいどおりとなったのである。

そんなある日、新聞の投書欄に「厳重抗議」と題する長文が掲載された。
私の文章を徹底的に批判し、納豆の安全性を説くものだ。
このような長文が投書欄に掲載されるのはおかしい。
しかも、その投書は匿名であった。
匿名の投書が載ることなどあるのだろうか。
これには、きっと悪の組織がからんでいるに違いない。
そう考えるのが一番自然だ。
あいつらは、そのうちきっと私自身をねらってくるだろう。
そうなる前に次の手を考えねば。

それにしても朝から気分が悪い…。
目もかすんできた。
今朝の朝食は…しまった!納豆だった…意識が急速に薄れてきた…私は…私は…




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誠に勝手ながら、福島県納豆協会は会長の失踪のため解散致しました。  
今後は、「福島県納豆連盟」が「福島未来納豆」をサポートさせていただきます。






※ 「『納豆菌』に対する危機管理」に関する設定、登場人物、団体等は全てフィクションです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
近未来SF作品てな感じで面白かったです。
けど今いろいろとあれなのでひっそりとするのがいいかもです...
カンニャボ
2007/06/16 23:23
カンニャボさん、いらっしゃいませ〜!
やはり、いろいろあるから…ですよね。
忠告、ありがとうございます。
徳利屋
2007/06/17 01:39

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